貴重な資料を発見しました!これは昭和30年代に販売を開始した、お菓子の写真です。
昭和30年代といえば、石原慎太郎の
『太陽の季節』が大流行した時代、『もはや戦後ではない』という文句が経済白書に登場し、戦後の復興期が終了したとみなされた時代でした。まだカラー写真が難しい時代だったのですね。洋風のお菓子文化が日本に入ってきたばかりの時代だったのでしょう。ガトーの写真をよく見てみると(写真左)、中には現在東京會舘で販売している
プティガトー(写真中)と、ほとんど同じような形のクッキーもあります。ドーナツはとってもシンプルなパッケージです。
これは、DMです。ちょっと褪せた様な色合いがレトロで可愛らしいですよね。価格は小缶500円、中缶750円、大缶1,000円とあります。当時の大卒サラリーマンの初任給は約1万円、新聞の購読料が月330円だったという時代に、1つ1つ手作りされた高級志向の洋菓子として販売されていたものです。きっと大事な方へのお土産として買われていたのだと思います。化粧箱には華麗さを象徴させる、当時一般にはまだ知られていなかった高級花のカトレアが大きく描かれています。
東京會舘の中ではよく目にする「カトレア」ですが(クッキングスクール:カトレア会、宴会場:カトレアルームなど)この当時からすでに使われていました。
これらの写真を眺めていて、東京會舘の長い歴史を感じつつ、現在の商品にも受け継がれている部分があるのだなあとしみじみ感じました。★K