現在東京會舘本舘10Fにある、
五十嵐写真店さんと、
東京會舘とは古い古いお付き合い。GHQの接収やら戦争やらの時代からお世話になっています。こちらのお店には、すごいものがあると、以前から噂に聞いていました。すごいものとは、何やらお札にまつわるお話との事・・・
打ち合わせに伺った折に、思いきって、室長にお尋ねしてみることにしました。
「ところで、こちらにはお札にまつわるすごいものがあると聞いたのですが・・・」「これですよ!これ!一万円札の福沢諭吉像の、元になった写真がこちらなんです。」うわさのものは、お店に入ってすぐの壁にかかっていました。
明治時代、新橋の土橋のあたりに、現在の「五十嵐写真店」の前身である「江木写真店」がありました。そして、この
福沢諭吉像は、この「江木写真店」で撮られた写真を模写したものだそうなのです!現在はこの写真自体は
慶応大学に保存されているそうです。この他にも、五十嵐写真店には、
渋沢栄一や詩人
タゴールなど、国内外を問わず要人の撮影を任されたという歴史があるそうです。当時「江木写真店」で活躍していた五十嵐與七さん(五十嵐写真店の創立者)は明治時代にニューヨークに修行に行き、開業まで果たしたというバイタリティ溢れた方。英語も堪能で、帰国後も政府の要人の撮影依頼がたくさんあったそうです。
東京會舘にエリザベス女王がいらしたときも、もちろん五十嵐さんに撮影をお願いしています。(その時のお写真は東京會舘1Fロビーに飾られています。)
歴史と逸話にあふれた五十嵐写真店。その凄さに触れるきっかけを与えてくれた、壁の一万円札の福沢諭吉。ここぞ!という時は、こんな立派な写真屋さんにお願いしたいと、ついついお客様気分になってしまいました・・・
★K
※右側の写真は五十嵐写真店創立者「五十嵐與七」さんです。